私たちの生活にIT技術は欠かせない存在になりました。
スマートフォンにタブレット、パソコンにデジタル家電など、ありとあらゆるものがインターネットに接続され、様々なものがデジタル化された世界の中で私たちは生きています。
今までは、プログラマやシステムエンジニアなど「作る人」だけがITに関しての知識を習得していればよかった時代でしたが、今後はどのような活動をするにしても、IT技術は切っても切れないものになっていることもあり、多くの人がITに関する知識を学んでいく必要がある時代になりました。
そのような時代の流れを受けて、日本でもようやく2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されました。
今回は、このプログラミング必修化についてわかりやすくまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
プログラミングが2020年に小学校で必修化!
まずは、プログラミングが2020年に小学校で必修化されたということについて、その内容を説明していきます。
プログラミングとは、スマートフォンやタブレット、パソコンなどのコンピュータに、処理をさせる順番を指示する「プログラム」を作る行為のことを言います。
ですので、プログラミングを学ぶということは、「コンピュータに処理をしてもらうプログラムを作る方法」について勉強するということになります。
このプログラミングの勉強が小学校で必修化されたということなのですが、そのことが定められている学習指導要領(2017年3月公示)の内容を確認してみましょう。
「情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」
上の文章を少し整理してみますが、目的は「情報活用能力の育成」とされています。
そのためにすることとして、
- ①情報手段を活用するために必要な環境の整備
- ②情報手段を適切に活用した学習活動の充実
の2点をあげています。
このことを、さらに簡単に言うと、
- ①パソコンやタブレット、インターネット環境を学校で準備する
- ②それらを使った学習活動を行う
ということになります。
このように書くと「プログラミングはどこにいったの?」となりますが、②の学習活動の中で、プログラミングを使ってシミュレーションのようなことをすることで、従来の小学校教育で学んでいる算数や理科などの内容の理解を図るというやり方が考えられています。
一例としてはそのようなものなのですが、プログラミング教育に関する実際の授業内容については、実は明確に「この内容」と定められているわけではありません。
あくまで、「各学校の創意工夫により、さまざまな単元で積極的に取り組む」ということが望まれているだけで、実際には始まってみないとわからないところが多いですし、学校によって差も大きくなるだろうということが予想されます。
「それだとちょっと不安・・」とお思いの方も多いと思いますので、不透明なところが多いながらも、少し詳しく説明していきたいと思います。
2020年にプログラミングが小学校で必修化!何年生から?
まずは「プログラミング教育は何年生から始まるのか?」ということについてですが、結論としては「決まっていない」ということになります。
ですが、もう少しヒントになりそうなことを説明していきたいと思います。
まず、プログラミングの方法には「命令をテキストでダラダラと書いていく方法」と、「ペタペタとボタンを押したりしながら書いていく方法」があります。
前者は
テキスト記述型のプログラミングといいますが、この方法でのプログラミング教育が始まるのは、早くても高学年からだと考えられます。
もしくは、採用されないかもしれません。
というのは、テキスト記述のプログラミングは、そのほとんどが英語で、英語の命令語や文法を覚えていかなければなりません。
それ以外にも中学生で勉強する変数などの概念を理解していることが望ましいこともあり、実際のところはテキスト記述型のプログラミングが小学校で採用されることはあまりないのではないかと考えられます。
後者はビジュアルプログラミングと言われる記述の方法なのですが、こちらは低学年からスタートする可能性があります。
おそらく小学校で取り入れられるプログラミングの仕方も、このビジュアルプログラミングが主流になるだろうと考えられています。
そのことについて、もう少し見ていきましょう。
2020年にプログラミングが小学校で必修化! 考えられる言語は?
先ほど取り上げた「ビジュアルプログラミング」ですが、有名なところとしては「Viscuit(ビスケット)」と呼ばれるビジュアルプログラミング言語と、「Scratch(スクラッチ)」と呼ばれるビジュアルプログラミング言語があります。
Viscuitは、5歳児から小学校低学年を対象としたもので、自分が描いた絵を、メガネと呼ばれる道具にペタペタ貼っていくことで、絵を指定したとおりの動作で動かすことができます。
非常に単純化されており、かなり直感的にコンピュータに対しての動きを指示することができるため、ある程度複雑な処理も、複数のメガネを組み合わせることで簡単に作ることができます。
そのことを通して、世の中のプログラムも簡単な命令の組み合わせでできているということに気づくことができるようになっていますので、初期のプログラミング授業でこのViscuitが取り入れられることが考えられます。
Scratchは、もう少し上の年齢(8歳~16歳)をターゲットにしたビジュアルプログラミング言語で、自分の描いた絵やあらかじめ用意された絵に対して、命令の書かれたブロックを処理する順番に並び替えていくことで、動きを指示していきます。
こちらも直感的な操作でプログラミングが出来るのですが、「同じ処理を繰り返す」ですとか、「この条件の時だけ実行する」というような条件分岐などの処理も記述できるため、かなり高度な制御も出来るようになっています。
Viscuitより少し難しいものになっているため、ある程度理解力があがり、論理的に考えることができるようになってくる高学年から取り入れられていくのではないかと考えられます。
言語としては他にも採用される可能性はあるかと思いますが、ビジュアルプログラミングが小学校では主流になることは間違いないかと思いますので、この二つをまずはおさえてもらえればいいと思います。
最後に
いかがだったでしょうか?
ちなみに、まだまだ不透明な小学校でのプログラミング教育ですが、「学校の勉強についていく」ことだけを目的にプログラミングを勉強するのは少しもったいないように思います。
上にあげた2つのプログラミング言語については自学できるだけの情報はネット上にもたくさんありますし、どんどん手を動かしてみてもらえれば、小学校でのプログラミングの勉強を怖がる必要はないのではないかと思います。
まずは子供の前に、少し大人が手を動かしてみる。
そこから始めて見てはいかがでしょうか。