あなたは、「きょうはとくべついいひなの」という絵本をご存知ですが?
この絵本との出会いは、月に2回解放される子育て広場でした。
表紙に描かれた二匹のうさぎのきょうだいがとてもかわいらしく、優しいタッチで描かれているのが印象的で我が家に迎え入れることになりました。
この絵本は「ふたごのこうさぎポリーとトミー」というシリーズ作品の一つです。
「きょうはとくべついいひなの」の登場人物について
女の子のポリーと男の子のトミーはふたごのきょうだいで、いちごのジャムが大好きだそうです。
二人で無邪気に遊ぶ姿がたくさん描かれていますが、その中でもやはりポリーは女の子らしい遊び、トミーは男の子らしい遊びが好きなようです。
「きょうはとくべついいひなの」のあらすじについて
ふたごのきょうだいポリーとトミーは大好きないちごのジャムをパンに塗って食べていると、かあさんが「きょうはとくべついいひなの」ととてもうれしそうにしています。
「とくべついいひはなにかしら?」と思う二人ですが、家じゅうのいろんな場所で、いろんなもので様々な遊びを繰り広げます。
「きょうはとくべついいひなの」の感想について
小麦粉を砂に見立てて砂場遊び、メロンと瓶でボーリング・・・。
ポリーとトミーが家の中で無邪気に遊ぶ姿は読んでいてとてもほほえましく思えました。
そして、大人になった自分にはもうできないけど、「やったら楽しいんだろうな」と思うことばかりでとてもわくわくさせられました。
しかし、私は二児の母。
「なるほど子どもはこんなものを使ってこんな遊びを思いつくのか」と感心すると同時に、どうしても母目線で「自分の子どもが家の中で同じことをしたらきっと怒るだろうな」と思いました。
小麦粉を床に散らかされたら掃除が大変です。
そこにおもちゃの汽車などを走らせているのですから、その小麦粉は使えません。
トイレで魚釣りのまねっこも「汚い!」と怒りたくなります。
せっかくの白いランプにクレヨンでお花を書いても「いたずら書き」とか思えません。
しかし、この作品では、ポリーとトミーのお母さんは一切二人を怒る描写がありません。
それどころか散らかった部屋を見ても「あらあらおへやがおもちゃでいっぱいね」と言うだけです。
もちろん、「きょう」は二人の誕生日で「とくべついいひ」なのかもしれません。
それでもこの作品からはお母さんの子どもに対する愛がものすごく感じられました。
物語の中で、お母さんが二人のために作ったごちそうを「はやくたべたいな」と覗き込むシーンがあります。
子どもにせがまれ何度も読んでいるうちに、リボンが飾り付けられ、その後ろに二人がクレヨンで落書きをしたランプも並んでいることに気づきました。
つまりお母さんは二人が遊んだ結果もすべて受け入れて大事に飾っているということになります。
自分の育児を振り返ってみて、ここまで子どもの行動を受けとめてあげられたことはないなと思いました。
お父さんの靴を履いたり、お母さんの洋服を漁っておしゃれのまねをしたり、それくらいならとてもかわいいものなのですが。
しかし、現実にされたらやっぱり怒るんだろうなと思います。
お母さんにうながされ二人がお風呂に入るシーンがありますが、大事なおもちゃたちもしっかりきれいに洗ってあげたり、お母さんのいうことをちゃんと聞く姿は、子どもならではの素直さだけではなく、ポリーとトミーが母の愛に包まれているからこそまっすぐな性格に育っているのだろうなと思えました。
ランプのくだりで「きっとすてきとかあさんもふたりをほめてくれるでしょう」とあるのですが、やはりお母さんの愛が二人に伝わっているという証拠でしょう。
どんな人におすすめ?
二歳の娘はとてもこの作品を気に入っており、長すぎず短すぎずの文章はやはり言葉を覚えるようになってくる年齢の子にぜひ読んであげてほしいです。
そして、お母さんも一緒に読んで、この作品からいろいろと感じていただければと思います。
まとめ
ポリーとトミーにとってとくべつないちにち「誕生日」ですが、お母さんにとってもそれは同じこと。
子どもたちが生まれてきてくれた「とくべつなひ」。
親子の愛を感じ、いろんなことを発見できるとてもいい作品です。
記事執筆者:ちわさん(20代女性・福岡県)
子育てにあたり絵本は大事です。自分にあった絵本を選びたいものですね。
他にも沢山の絵本があります。