「花さかニャンコ」は、NHKの「みんなのうた」で放送されている楽曲です。
かわいらしいネコのアニメーションと、夢のある歌詞で、一見子供向けの楽しい曲のようにしか見えません。
耳に残る「ニャンコニャンコ、花さかニャンコ」という歌詞にうきうきするし、ネコのキャラクターもその他に登場する動物たちもとても楽しそうです。
しかしその内容をよく見ると、「花さかニャンコ」は実はとても怖い曲だった!と思っている人もいるかも知れません。
なぜなら、この「花さかニャンコ」には悪意がまったくないけれど、実は最後には大変なことになってしまうからです。
花さかニャンコは怖い?理由を紹介
「花さかニャンコ」をグーグルで検索しようとすると、検索候補に「花さかニャンコ 怖い」というものが出てきます。
この曲を怖いと思う人は、世の中には多少はいるという事でしょう。
結論から言うと、この曲は怖いと思える側面があります。
パステルカラーのアニメーションとあいまって、一見楽しそうで害がなさそうに見えるこの曲、「ニャンコ、ニャンコ」というフレーズや「ピポパポパ」というフレーズが繰り返し出てきてます。
人によっては、呪文のように聞こえ中毒性があるのかも知れません。
しかし、つい癖になってしまうその分、怖さがよけいに引き立つような気がします。
この「花さかニャンコ」では、2頭身のかわいいネコが魔法のスティックを持って歩いている姿から始まります。
このスティックを「ピポパポパ!」と振ると、様々な色と様々な種類の花が咲きます。
泣いている動物の子供や、けんかしている子供に向かってこのスティックを振ると、頭や指や鼻先などに花が咲くのです。
花を咲かせてもらった子供たちは、みんな笑顔になります。
そういう風景を見ると、このニャンコはいいことをしているように見えるし、実際に本人もいいことをした、と思っているのでしょう。
でも、地面だけでなく、指先や鼻先に花が咲いてしまう、というのはもしかしたら尋常ではないと感じる視聴者もいるかも知れませんね。
落語の「頭山」を思い出させるシュールさです。
「花さかニャンコ」に出てくる花は、普通の花ではなく動物に寄生する花なのかもしれません。
これが、まず第一の怖いと思われるポイントです。
さらに、この花を咲かせるイベントはどんどんと広がっていきます。
どうやら、花を咲かせる能力は、次々に伝えられるようです。
花を咲かせてもらった動物の子供たちは、次々に花を咲かせていき、とうとう世界中が花でいっぱいになってしまいます。
この様子は、なんだかちょっと「ハメルンの笛吹き男」を想像させます。
花さかニャンコに、子供たちが影響されて、どんどん列を作ってついて行ってしまうようにみえるのです。
これが、もう一つの怖いと思われるポイントです。
世界中いろんな色の花でいっぱいで、カラフルになってきれいだね、で、終わらないのがこの曲のさらに怖いと思われるところです。
なんと、花さかニャンコを先頭とした動物の子供たちは、ロケットを作り乗り込みます。
それに乗って、花を宇宙の中にも咲かせようというのです。
そして、いとも簡単に、銀河の果てまで向かい、すべてを花だらけにしてしまう花さかニャンコとその仲間たち。
最終的には銀河全体のみならず、なんとブラックホールにまで花が咲いてしまうのです。
なんの脈絡もなく、虹色に咲き乱れる花だらけの宇宙。
このあと、彼らと宇宙はいったいどうなってしまうのでしょうか。
このように、大人の目線からすれば、少し行き過ぎと思える部分が、最終的に怖さを増幅させるのかも知れません。
出てくる動物たちが、この行為になんの疑いもなく楽しそうにしているのが、また怖いと感じてしまうかも知れませんね。
「花さかニャンコ」という楽曲を書いたのは、谷山浩子さん。
谷山浩子さんといえば、これまでもNHK「みんなのうた」で、「まっくら森の歌」「そっくりハウス」などの曲を発表してきました。
そのどちらも、ちょっと不気味な世界を描いている部分があります。
「みんなのうた」といえば、だれが聞いても害のない、子供向けの曲が多いのですが、谷山浩子さんが書いたものはどれもこれまでの作品とは違うものなのです。
一見、童話的な世界なのですが、よく考えると怖い、不気味な曲を得意としていると感じられる谷山浩子さん。
この曲も、かなり不気味な世界を描いていると考えてよいかも知れません。
なお、花さかニャンコのグッズは、今のところCDと楽譜しか販売されていません。
映像を見たほうがこの曲のイメージがよりはっきりするので、できればDVD付きのCDを購入するとよいでしょう。
花さかニャンコのキャラクター自体はかわいいので、文房具などのグッズもあると楽しいと思うのですが、公式にはまだないようです。
まとめ
「みんなのうた」をなにげなく観る子供たちにとっては、耳に残る歌詞と曲、かわいいキャラクターの出てくる「花さかニャンコ」。
それは、ただ聞き流すだけなら楽しい曲にすぎません。
だから、この歌の本当の怖さがわかるのは、大人だけなのかもしれません。
この曲を作った谷山浩子さんのこれまでの作品から考えて、ただのかわいい曲であるはずがないと思います。
もちろんアニメーションを作成したNHKも、そのことを全く意識せずに作ったわけではないのでしょう。
オトナのファンが、その「怖さ」を楽しんでくれることを予想して作られた作品なのではないでしょうか。