多様性の時代になって久しい折、各自、様々な主義主張があって当たり前です。
そういう違いに出会うたびに、人間関係に悩むのはナンセンスなのです。
個々に、異なる生き様があって当然ということを了解したいものです。
ひとりひとりが機械の歯車と化して、一律に行動していた高度経済成長からバブルに至る時代は終わっています。
また、たったひとつのことを真実と定め、そこから一歩も動こうとしないのは原理主義であって、そういう感覚は、今日的には却って危険思想なのだという理解も大切だと思われます。
他人のいろいろな方向性、いろいろな背景からの発言行動を許容することで、自らの個性(独自性)も、他人から受け入れて貰えるのだという多様な感性を磨きたいと思います。
頑固に一点に留まろうとせずに、柔らかく動ける人でありたい。
生き方や主義主張に固執しない人でいたい。
常に、自らも変わる用意があるという、そういう柔軟な態度さえあれば、たいていの人と無難に付き合うことが可能になります。
付き合って見れば分かる、話せば分かる人という評価になれば、周囲の環境が変わります。
人間関係が変わります。
職場の人間関係の悩みについて!
ひとりひとりが違う個性、信念を持った他人同士なのだと認め、尊重し会えばたいていのことは解決します。
それには、ひとりひとりの真実を認めたい。
単に、思い込みかも知れなくても、他人のそういう感性を拒絶しないのが良いと思います。
個別性に力点を置いて、「全体にとっての真実」を疑ってみるという思考法が身に付けば、そういうことが可能になります。
普遍的で永遠な「真実」など存在せず、あるのは「個にとっての真実」のみなのです。
各自が、個々に、いま「真」たりうると確信できる事柄を、当面の「真実」と定めて行動しているだけなのです。
当面の「真実」とは、即ち、いま現在の「仮説」なのですから、人は、その「仮説」を日々の学びの中で修正します。
各自の当面の思い込みの「仮説」が、その人にとっての当面の「真実」であるという前提に立てば、自らの「仮説」についても、それを日々、疑える人になりえます。「仮説」の変更を躊躇しなくなります。
仕事現場で、もしも、嫌な場面に出くわしたとしても、それは、当面の「真実」、即ち、変更可能な「仮説」に阻まれたこととして、ひとまず飲み込めます。
そうしておいて来るべき時を待つという態度が可能になります。
チャンスは思わぬところから転がり込みますから、それにつけても、人間関係を良好に保つことは大切になります。
許容範囲を大きく保ちつつ、時には、上辺だけの演技も求められます。
また、仕事を離れますと、今度は「友人知人との人間関係」というものがあります。
経済活動上、関係なければ、こちらは簡単に決別が可能になりますが、それは得策ではありません。
とりあえず、こちらも、関係を維持しておくのが大人としては正解になります。
どのような人間関係で将来的にチャンスが回って来るのか、それは神のみぞ知るところなので、出来るだけ関係性を維持しようというのが大事になります。
最後に、最小単位としての「家族内の人間関係」があります。
家族であっても、1個1個の他人としての尊厳を守るという態度が必要になります。
家族であっても、思い通りにはならないということを承知しておくことが肝要です。
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①一生の趣味を持つ
趣味を突き詰めることにより、ある種の「道」が見えてきます。
ひとつの事を突き詰めてゆくと、たいてい、その最終到達点は同一になるものです。
つまり、いろいろな「道」があるとしても、その行き着く先の「真善美」は、不思議なことに一緒です。
ひとつの趣味(道)を突き詰める行くことで、利得とか、利便性とは別物の、そういうものとは違う本当に大切な事柄が見えてきます。
それが各自のバックボーンになれば、大きな自信に成り得ます。
生きる上で、最も大切に思えるものが見えてきますので、それに則って鷹揚に構えていれば、自然に許容範囲が大きくなります。
趣味に没頭して、嫌なことを忘れ去るという効用もあります。
ひとつの趣味的な「道」の探求が「真実」の追求になり、それが生きる目的、生きる意味となれば、浮世の妙な問題に直面して、無理な自己主張をせずに済みます。
それで、生き方としても楽になります。
②最悪場面を予測して、それに備える
自分を圧倒的に窮地に陥いる場面を自らが想定し、それに備えるということを習い性にすれば、ちょっとやそっとでは驚かない人になれます。
つまり、相手がそういう挙に出た時の、強烈な反撃手段を用意しておけば、たいていのことは許せます。
世の中には、自分にとって不都合な事柄が沢山起こります。
個々の人間に対して、その周囲はいつもいつも挑戦的であるわけです。
しかし、自身にとって最悪の事態を自らが読み切ったうえで、それを打ち崩す手立て、カウンターパンチを事前に準備しておけば、何が起ころうと平気です。
有難いことに、世の中には、なかなか芯からの悪党という人物は少ないので、最悪の事態に至ることは稀なのです。
たいていの現実は、予測済みの最悪の事態より緩い状況であるので、ああ、良かった、助かった、ラッキーという感覚になって、それで、その場をゆうゆうと乗り切ることが出来ます。
読み込み済みなら、必要以上に人間関係を悪化させません。
③自分を大切にする
趣味の追求が、自分を大切にしようということに繋がります。
他人から下に見られていると感ずる人は、自分自身を大事にしていないという事があります。
劣等感が強く、その反動により常に誰かを馬鹿にしたいと考えるようになったりもします。
その様子を見た周りの人たちは、そういう、人を馬鹿にしている人には、丁寧な対応は不要だと判断します。
他人を馬鹿にすることを何とも思わない人なら、そういう人は、馬鹿にされる立場を受け入れる人であると思われます。
……とにかく、自分に自信が持てずに、卑屈になっている状況がいけません。
とりあえず、卑屈さの克服が、人に舐められやすい性格を変えます。
卑屈な態度を改め、自分を宝物のように扱えば、それに倣って、周囲の人たちに大切にして貰えます。
周囲の人に見下されない為には、まず、自分を尊重することがポイントになります。
趣味で得意分野が見つかれば、周りから一目置かれます。
得意なことがある人は、人に尊敬されます。
それで、卑屈にならずに済みます。
まとめ
私たちは、他人との比較の中で様々な劣等意識を持ちます。
そういう劣等感が他人との関係を悪くしますので、互いに良いところを認め合える関係の構築が大事になります。
多少無理をしてでも、相手の良さの発見に努めることで、相手の反応が優しいものになります。
最初はギクシャク感があったとしても、それが徐々に改善されます。
劣等感の裏返しが、つい、他人に対して不用意で乱暴な言動となって発動し、それに相手が反発するということになれば、その関係性はいっぺんに壊れます。
互いの得意を認め合うというのが人間関係の基本です。
人間関係に悩むのは、おそらく、相手を認めようとしない不寛容な態度から派生します。
相手の得意を認めつつ、自らの得意をそっと醸し出すことで、人間関係のストレスから解放される可能性が広がるものと思われます。
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