日本人は魚臭いと言われるほど、日本の文化に魚はつきものです。
家で魚を捌く時、焼き魚をする時、そういった状況で部屋に魚の臭いが付きます。
臭いのメカニズムを始め、なるべくお金をかけない消臭、防臭する方法をいくつか紹介していきます。
家で本格的に魚料理をしたいけど、臭いが気になって出来ないあなた。
このやり方を覚えて、魚料理を思う存分楽しんでみましょう。
Contents
部屋が魚臭いのは何故?メカニズムを解説!
焼き魚をした時の臭いのもとは、油煙がほとんどです。
これは焼き魚をした際に魚の脂が焼けて発生する煙のことです。
油煙は名前の通り、油を含んだ煙で、これが壁などに浸透し臭いが発生します。
生魚の場合、魚の旨味成分と言われる「トリメチルアミンオキサイド」が細菌の酵素により「トリメチルアミン」というアルカリ性に変化します。
この「トリメチルアミン」が「アンモニア臭」のような臭いとなり、生臭さのもととなってしまいます。
詳しくはこちらのサイトが参考になります。
参考URL:魚が生臭い原因を知って下処理をしよう!生臭くならないゴミ処理の仕方(オリーブオイルをひとまわし)
魚臭い部屋を換気する方法を紹介
換気扇を使った換気方法
換気をする時、換気扇を回せば効果があると思っていませんか?
最近の家屋では、それはあまり効果が出ません。
最近の家屋は断熱効果等を取るためにドアや窓がしっかりと組んであり、部屋の気密性が高いんだよ。
気密性が高いということは、空気の流れがない状態になるよ。
換気扇を回して、空気を逃がそうとしても、周りから入ってくる空気がないため、あまり空気が逃げていかないんだよ。
効果を出そうと思うのであれば、換気扇から一番遠いドアや窓を開けることです。
これをすることにより、空気の流れができ、臭いも外に逃げやすくなります。
サーキュレータで空気の流れを強制的に作るのも効果的です。
ただし、何処か一部でも空気が入ってくる場所を作らなければ、結局同じことになります。
下記のように換気扇の近くの窓を開けると、構造によっては、逃げた臭いが窓から戻ってくる事もありますので、これもご注意下さい。
(窓を開けて換気扇の排気口が近くにあるか確認してみましょう。もし近くにあったら他の窓を開けた方が良いです。)
換気扇を使わない換気方法
換気扇を使わない部屋の換気方法もあります。
自分の部屋を見ればわかりますが、換気をするための窓やドアなどの開口部がいくつもあるはずです。
対角線上の位置にあるような窓やドアを開き空気の流れを作ります。
例1)窓から窓
例2)ドアから窓
この窓やドアは離れている方がより良いです。
そうすることで自然と空気が流れます。
空気の入口は小さく、出口は大きくした方がより効果的です。
具体的には入口は15センチくらい、出口は全開が良いです。
空気の入れ替えは5分程度で結構です。
この方法は、電気代もかからないので、非常にエコでおすすめです。
消臭効果あり!魚を焼いた後のグリルやコンロの洗い方
重曹とクエン酸を使った汚れの落とし方
焼き魚をした後のグリル、コンロの洗い方で消臭効果は変わります。
焼き魚の脂が臭いの元となりますので、脂が固まってしまう前に掃除するのが一番大事なこととなります。
グリル、コンロの外せるものは外してお湯を使って脂を落として洗いましょう。
グリルの油汚れやコゲには、重曹がおすすめです。
主な使い方は、重曹は粉のままスポンジと一緒に使ったり、少し水を入れてペースト状にする使い方もあります。
重曹でも落ちない汚れや臭いはクエン酸の出番です。
クエン酸はよくトイレで使われますが、水垢、アルカリ性の汚れを落としたり消臭する効果があります。
その為、魚の臭いにも効果があります。
(魚の臭いの原因は「トリメチルアミン」というアルカリ性だからです。)
クエン酸はスプレー型の容器に入れてそのまま吹き付けると良いです。
(350mlのスプレー型容器に、クエン酸を2~3g入れるのが目安です。)
以下の表の通りで、酸性の汚れにはアルカリ性である重曹、アルカリ性の汚れにはクエン酸が効果があります。
というのも酸性とアルカリ性を混ぜると中和するからです。
アルカリ性の臭い・汚れ | クエン酸(酸性) |
酸性の臭い・汚れ | 重曹(アルカリ性) |
参考URL:重曹って何だろう? クエン酸って何だろう?
グリルの中の外せない汚れには?
グリルの中の外せない部分も、魚の脂がたっぷり残っていますので綺麗に掃除する必要があります。
コンロであれば拭きやすいので比較的掃除は簡単ですが、グリルとなると調理の後は熱いですし狭いため、掃除しにくいですね。
その場合は、魚焼きグリルで直接、お茶の出がらしを炒るのも効果的です。
出がらしを加熱すると消臭効果を発揮します。
ですので、グリルの余熱でも出がらしが温められるので消臭効果を発揮します。
参考URL:なんと一石三鳥の大活躍!「お茶の出がらし」で家中を消臭できるって知ってた?
調理後にグリルの受け皿に水を張り、茶殻をそこに沢山入れて5分ほど余熱で温めてください。
消臭効果で説明した通り、茶殻が臭いを吸収してくれます。
お茶の葉やコーヒーを使った消臭方法
魚の臭いに対しては、事前にキッチンに消臭剤を置くのも効果的です。
お金をかけずあるものだけで作ってしまいましょう。
お茶の葉をフライパンで空炒りすると消臭する効果があります。
煎れ終わったお茶の葉を捨てずに、水分が飛ぶまで空炒りしてください。
生茶葉よりも、空炒りの茶殻の方が消臭効果が高いです。
というのもカテキンに消臭効果があると思われがちですが、お茶を煎れ、空炒りするほうが消臭効果が高いからです。
空炒りした茶殻を容器に入れれば消臭剤の完成です。
コーヒーの出がらしや、柑橘類の皮でも効果があると言われています。
というのもコーヒーの豆の繊維には臭いを吸着する性質がありますし、レモンやオレンジの皮に含まれる成分に消臭効果があるからです。
参照URL:コーヒーの抽出かすの脱臭効果
柑橘類の皮の場合は酸がサビの原因となるので、焼いた後は直ぐに拭き掃除を行おう!
コーヒーの出がらしは消臭剤として再利用が出来ます。電子レンジを使った簡単なやり方をご紹介します。
- コーヒーメーカー等から出たコーヒーの出がらしはクッキングシートに乗せ平らに広げます。
- 600Wで5分電子レンジでチンします。
- すると水気が無くなりサラサラになります。
- そのままグリルトレイに敷きます。
※容器に入れ事前に消臭剤としてキッチンに置いておくのも良いでしょう。
調理の直後に掃除をする習慣をつけておくと、頑固な汚れもなくなり掃除も楽になる、さらに臭いが付きにくいと一石三鳥の効果が得られます。
消臭効果あり!カーテンの掃除方法
魚を焼いた後は臭いが部屋中に残る事もあります。
壁紙に魚の臭いが付着している場合は、消臭スプレーが便利です。
魚の臭いはアルカリ性の臭いなので、先ほど紹介した自作のクエン酸のスプレーでも良いですが、面倒であれば、市販のスプレーもおすすめします。
それでも臭いが取れない場合は、クエン酸とは逆の性質の重曹のスプレーがおすすめです。
カーテンは壁以上に汚れや臭いが溜まる場所です。
これを消臭することで、部屋の臭いは少なく感じることが出来ます。
カーテンを外して洗濯機に入れ、乾燥機をかけるのが手っ取り早いのですが、家庭の洗濯機ではなかなかサイズが難しいと思います。
手間はいりますが、特別なことをせずに綺麗に、臭いが取れます。
- まずはカーテンのホコリなどを掃除機等でとってください。
- そのあと、臭いを取っていくのですが、スチームアイロンのスチームをあてるか、先ほどのスプレーで拭いて下さい。
- その後、風通しのいい場所に干して、しっかりと乾かしてください。この時、扇風機やサーキュレータなどをカーテンにあてると、より効果的です。
消臭スプレーも効果はありますが、汚れを落とすことも消臭に繋がりますので、やはり掃除されることが消臭への近道です。
排水溝の掃除で魚の臭いを消す方法を紹介
キッチンではグリルや換気扇周りの他に、排水溝からも臭いが出てきます。
この排水溝も掃除することで臭いを取ることが出来ます。
排水溝の周りを掃除することは可能ですが、奥を掃除する場合は手が届かなく困難です。
市販されているパイプ用洗浄剤を使用すると手っ取り早く掃除、消臭が可能です。
魚の生臭さはアルカリ性なので、クエン酸が効果的ですが、排水溝には腐った臭いを放つ酸性もあり、臭いの除去には、アルカリ性が効果的です。
先ほどから紹介していますアルカリ性である重曹と酸性である酢(クエン酸)を使った方法があります。
アルカリ性と酸性の汚れ・臭いを中和する力があります。
- まずは2カップぐらいの重曹を排水溝周りにかけて水分と馴染ませます。
- そして、1カップ程度の酢(クエン酸)を回しかけます。(酢の場合は電子レンジに耐熱容器に入れて60度くらいに温めると良いです。穀物酢がおすすめです。温めた方が泡立ち汚れが取れやすくなります。)
- すると、泡が発生します、これを1時間ぐらい放置してください。
- その後、アクリルたわし等で綺麗に洗います。
お酢は温めた方が効果が高いよ。
ちなみに、この時に発生する泡は重曹と酢なので、無害です。
1時間ほど放置すると汚れが浮いてきます、そこで排水溝に60度ぐらいの熱めのお湯を流すと綺麗に、臭いも汚れも落ちていきます。
この重曹+酢の組み合わせは無害なので、他の部分の掃除にも役に立ちます。
手荒れが気になるかたは手袋をしましょう。
魚を焼く前に!下処理する方法
焼き魚をする前に、ひと手間かけるだけで臭いが出にくくなる方法がいくつかあります。
ステップ①塩
まずは塩です。
塩を全体に軽くふります、そして20分から30分後に調理しましょう。
余分な水分が出ていき、臭いも一緒に出ていきます。
鮮魚の場合は旨味も一緒に出てしまいますのでご注意を。
ステップ②酒
次は酒です。
こちらは切り身の状態にしてから酒をふります。
臭いを抑えると同時に、旨味や香りを引き出してくれる優れものです。
料理酒でもいいですし、料理用ワインでも問題ありません。
ステップ③酢と柑橘類
最後は酢と柑橘類です。
酢を使う場合は2~3倍に薄めた酢水に魚の切り身をくぐらせて、キッチンペーパーなどで水気を取り、調理します。
柑橘類の場合は酒と同じように切り身に絞り汁をふってから調理します。
酢は酸性ですので、魚の生臭さ(アルカリ性)を消す効果と共に、殺菌効果も期待できます。
魚調理後の気になる手の消臭方法
魚を調理した後に手の臭いが気になると思います。
先程紹介した茶殻は手を消臭する効果があります。
やり方は簡単で茶殻を手でこすり合わせ揉み込み手で洗い流すだけです。
最後に
部屋が魚臭い原因は、「トリメチルアミン」というアルカリ性の物質でした。
この臭いはグリル、コンロ、カーテン等に残りやすいです。
まずは換気を上手に行い、調理が終われば早々に掃除をする。
掃除をする方法として重曹がおすすめですが、落ちない場合はクエン酸がおすすめです。
魚料理は日本人とは切っても切れない関係です。
臭いを気にせず食べられると、より一層おいしく食べられることと思います。
是非、お試しください。